日本ミツバチ


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群捕獲: 蜂球取込み

蜂球取り込みでの捕獲

日本ミツバチの群では、春の巣分かれ時期に女王蜂が働き蜂と共に巣から飛び出し、巣の近くに一時的に集結して右の写真のような蜂球を作ります。

このような蜂球を巣箱に取込んで、そこで巣を作らせて管理群とすることができます。

自然での蜂球を見つけることは希ですが、自分のところの管理群が蜂球を作っているのを発見することは多々あり、蜂球を取込んで管理群を増やすのはそんな時に有効です。

写真は、自分のところでの管理群が近くの栗の木に蜂球を作ったところです。



蜂球取込みの手順(概略)

次のような手順で蜂球を取込みます。

  1. 巣箱を準備、
  2. 準備した巣箱へ蜂球を取込み、巣箱を蜂球のあった近くに置く、
  3. 蜂球の蜂が全て巣箱に入るのを待つ、
  4. 全ての蜂が巣箱に収まったら、巣箱を置き場に移動

これで、運が良いと、その巣箱に群が定着して巣を作ってくれます。

「運が良いと・・・」と敢えて書いたのは、蜂球を取込んだ場合での群の定着率は、100%ではないからです。

うまく定着して巣を作ってくれたら「ラッキー!!!」
放棄して逃げてしまったら「まぁ、そんなこともあるある・・・」
程度の考え方が必要と思います。

ただ、いろんなことを工夫すると群の定着率は上がることは確かなので、逃げてしまった時には「どうして???」と考えることも、次の成功を生む秘訣ではあります。



巣箱

飼育箱・待ち箱兼用の右の写真のような巣箱を使います。

巣箱の底板あるいは巣門段を外して、巣箱を裏返して(巣箱の天井部分を下にして)、その中に蜂球を入れて、巣箱を元の状態に戻すのが、お薦めです。

巣箱に入れた蜂群の中に女王蜂が入っている場合は、蜂は素早く移動しないので、その間に底板(または巣門段)を被せて、巣箱全体を返して、元の状態にするとよいです。



蜂球取込みのタイミング

分蜂の際の蜂は、次のように動きます。

  1. 元の巣の周囲を円を描くように飛ぶ蜂が増える
  2. 元の巣から沢山の蜂があふれ出す
  3. あふれ出した蜂が飛び立ち、元の巣の周囲を飛ぶ (ものすごい数の蜂が飛びまわります)
  4. 蜂が飛びまわり始めてから数分で、元の巣から数十メートルぐらいの範囲の何処かに集結し始める
  5. その場所に全ての蜂が集結し、蜂球を作る
  6. 蜂球から探索蜂が飛び、新しい営巣場所を探す
  7. 新しい営巣場所が決まると、蜂球が崩れて再び全ての蜂が飛びまわり、群れを成して新しい営巣場所に移動する

この中で、蜂球に女王蜂と全ての蜂が集結し、蜂球が落ち着いたタイミングが取込みタイミングになります。

具体的には、蜂球を作り始めた時点での蜂球は垂れが少なく(下の左側写真)、落ち着いてきた蜂球では蜂球が垂れ下がる感じになります(下の右側写真)。
蜂球が右側のような状態になっている時が取込みに適したタイミングです。

時間としては、蜂が集合し始めてから 20分ぐらいで落ち着いてくるのが通常です。

蜂球ができてから、新しい営巣場所に飛び去ってしまうまでの時間は群により様々ですが、早いものだと1時間ぐらいで移動してしまうものがありますので、取込みは蜂球が落ち着いたら早めに行うのがよいです。



巣箱への入れ方

蜂球のすぐ下に空きの巣箱(底板を外して裏返した状態)をあてがって、蜂球を巣箱の中に直接落とし込むのがお薦めです。
蜂球を落とす時は、刷毛のようなもので、蜂球の根元付近を崩して落とすのがよいです。

巣箱の項にも書きましたが、落とし入れた蜂の中に女王蜂が入っていれば蜂が素早く飛び立つことはないので、その間に外した底板を戻して、巣箱全体をひっくり返して、元の状態に戻します。
この時、できるだけ蜂を潰さないように作業することが注意事項です。

元に戻した巣箱は、蜂球があった場所から3メートル以内程度の場所に仮置きします。

その状態で、女王蜂が巣箱に入っていれば、蜂球のあった場所に残っていた蜂も、10〜20分程度ですべて巣箱に入ります。

右の写真は、巣箱に蜂球を入れ、蜂球のあった近くに置いた時点のものです。
数分で、写真のように、巣門の外でお尻を上げて羽で風を送る蜂(扇風運動をする蜂)が見られます。
このような行動が見られると、女王蜂が巣箱に入っている一つの証拠になります。

巣箱に入っていなかった蜂は、この扇風運動で、集合フェロモンを嗅ぎつけて、巣箱に入ります。


なお、巣箱に女王蜂が入れられず、蜂球のあった場所に残ってしまった場合は、次の何れかの状態になります。

  • 巣箱に蜂球を落とし込んだ時点で、蜂が素早く飛び立ってザワつき、蜂球のあった場所に戻ってしまう。
  • 巣箱を近くに置いた後、巣箱から次々に蜂が出てきて飛び立ち、蜂球のあった場所に戻ってしまう。

いずれの場合も、少し待つと蜂球のあった場所に再度蜂球が作られますので、蜂球が落ち着くのを待って、同じ手順で蜂球を取込むとよいです。

蜂球を入れた巣箱から蜂が出て行ってしまっても焦らずゆったり構えて、再度トライするのが肝要です。

なおなおの追記ですが、、、
数回リトライしても、蜂が巣箱から出て行ってしまうような場合、そんな時は女王蜂が蜂球の中に入っていなかったということもあり得ます。
そんな場合は、諦めましょう・・・。
ただ、このような場合は、蜂球を作った時点で、蜂球が落ち着いた感じになっていない(蜂球が垂れ下がった状態にならない)ことが殆どです。



置き場への移動

蜂球があった場所の近くに置いた巣箱に蜂が全て入ってくれた後ですが、次のような選択肢があります。

  1. その場所に置いたままで移動させない

  2. 巣箱に蜂が全て入った直後、同じ場所で元の巣からできるだけ離した位置(元の巣から10メートル以上、できれば元の巣との間に障害物のある場所)に移動させる

  3. 巣箱に蜂が全て入った直後、2Km以上離れた別の場所に移動させる

  4. その日の夕暮以降〜翌朝日の出前までの間に、2Km以上離れた別の場所に移動させる

今までそれぞれを何度も試してみた結果としては、どれをやってもよいかと思います。
(群の定着率はどの方法をとっても大差がないとの今のところの結果です。)

自分的には、最近やっているのは B のやり方です。
定着率に大差がないならば、遠くまで持って行く手間をかけるよりも、さっさと同じ場所で移動させておいた方が楽、、、というところです。

なお、B と C の方法で移動させる場合ですが、
巣箱に蜂が全て入ったところで、巣箱への蜂の出入りが殆ど無くなるタイミングがあり、
そのタイミングで移動させるとよいです。
そのタイミングを逃すと、巣箱の位置を確認する蜂などが巣箱を頻繁に出入りするようになって、とりこぼす蜂が多くなります。



分蜂群が蜂球を作る場所

蜂球は、次のような場所に作られるのが殆どです。
  • 元の巣から数十メートル範囲内
  • 20cm四方ぐらい以上の障害物の下側

また、一度蜂球が作られた場所には、再度蜂球が作られることが多いです。
これは同じ群での分蜂に限らず、別の群での分蜂でも、同じ場所に蜂球が作られることが多いです。

管理群の場合、巣箱から20メートル範囲内ぐらいに誘導板を設置しておくことで、かなりの確率でその場所に蜂球を作らせることが可能です。

右の写真が、誘導板に蜂球が作られたところです。

誘導板は、蜂球が作られた時に取込み作業がし易い場所に、複数箇所設置しておくとよいです。
その中のどれかに一度蜂球が作られると、その誘導板に何度も蜂球が作られるようになります。

<誘導板の作り方>

  • 30〜40cm四方の板(コンパネ等、なんでもOK)を準備します。
  • その板に焼き網(\100ショップで売られてるヤツ)をつけます。焼き網の固定はルーフィングシート等を固定するタッカーが便利です
  • 日本ミツバチの蜜蝋を焼き網の場所に塗布します。蜜蝋をカッターで削って、それを焼き網の場所に置いて、バーナーで炙って塗布すると簡単です。
  • 作った板を網を下側にして設置します。板に30度ほどの角度をつけるとなお良いように感じます。

ウラ技として、管理群の分蜂が観察できた場合は、誘導板にキンリョウヘンの花を何輪かつけて蜂を誘導してそこに蜂球を一度作らせると、あとはその誘導板に蜂球が作られることが多くなります。