日本ミツバチ


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キンリョウヘン

キンリョウヘン

シンビジウムの仲間の東洋蘭の一種です。

日本ミツバチを知る人の間では、花が日本ミツバチを誘引する蘭としてよく知られています。

キンリョウヘンの花は、分蜂群(/逃去群)を強く誘引します。
写真は、分蜂群がキンリョウヘンの花(ネットに入れています)に集合しているところです。

キンリョウヘンの花に誘引されるのは、正確には次のような日本ミツバチです。

  • 分蜂群
  • 逃去群
  • 分蜂/逃去に先駆けて新たな巣を探している探索蜂

不思議なことにこれ以外のミツバチは誘引されません。
写真のような状況で、近くに他の群の巣箱が置いてあっても、そちらの群(分蜂していない)の蜂は無関心です。

また、セイヨウミツバチもキンリョウヘンの花には無関心です。



キンリョウヘンの利用

キンリョウヘンの花が、分蜂群・逃去群・探索蜂を強く誘引することから、次のように利用します。

  • 待ち箱にキンリョウヘン(花)を添えて探索蜂を誘引する
    探索蜂が多数来るようになると、本体の分蜂群/逃去群が飛来して待ち箱に入居する確率が飛躍的にアップします。

  • 飼育群での分蜂が起きた際、キンリョウヘン(花)で分蜂群を誘引する
    自群の分蜂群が他に飛び去るのを防ぐことができます。
    キンリョウヘンに集合させた分蜂群を空き巣箱に取込んで定着させることが可能です。

  • 上と同様に、飼育群で逃去が発生した場合、その群をキンリョウヘン(花)で誘引して、足止めすることが可能です。

  • あと、マイナーな利用方法として、飼育群の近くにキンリョウヘンの花を一時的に置いて、分蜂が近いかどうかを確認することが可能です。
    花に関心を示せば分蜂が近いです。花に全く関心を示さなければ、分蜂の可能性は殆ど無いということになります。

写真は、キンリョウヘンの花を添えておいた待ち箱に分蜂群が飛来して入居するところです。
見難いですが、キンリョウヘンは左側の寒冷紗で作ったケースの中に入れています。

写真の群は、飛来して待ち箱の方に群がり、待ち箱に直接入っています。

このような群と、一旦キンリョウヘンの花に集合して、そこから待ち箱の中に移動する群があります。


<付記>
別項で紹介している「日本ミツバチ・ルアー」を使うとキンリョウヘンの花の時期以外でも、上と同様のことが可能です。
特に、飼育群の分蜂とか逃去とかには、冷蔵庫に「日本ミツバチ・ルアー」を置いておいて、イザという時に使うなんていうのもありかもしれません。
「日本ミツバチ・ルアー」はいつでも使える「キンリョウヘンの花」として、いろいろな使い方の可能性がありそうです。



キンリョウヘンの花の使い方

キンリョウヘンの花に直接ミツバチが触れないように、キンリョウヘンは蜂が入らない細かな目の網で覆っておきます。
直接ミツバチが花に触れて、花が受粉してしまうと、花の持ちが極端に悪くなります。

キンリョウヘンの花(鉢植えのまま、水やりをきちんとしつつ)は、直射日光が当たらないようにして、温度が上がらない場所に置くと、1ヵ月弱持ちます。

キンリョウヘンが大株で、沢山の花を咲かせている場合は、切り花にして使う方法もあります。
この場合、定期的に水替えをして、使う水も切り花を長持ちさせる薬品を入れるなどしないと、花は長く持ちません。
切り花の場合、頑張ってメンテナンスしても屋外で風があたる場所では経験的には2週間ぐらいしか持ちませんので、切り花はあまりお薦めではないように思います。

あと、裏技的な使い方として、
飼育群で分蜂が起きた際に、その分蜂群を木の幹とか、誘導板(群捕獲:蜂球取込み の項で説明)に集合させようとする場合、分蜂が始まった直後にキンリョウヘンの花を集合させたい場所に一輪だけ置くと、その場所に蜂球を作らせることが可能です。(かなりの確率で有効です)



開花時期の調整

キンリョウヘンは、特別な加温なしの場合、サクラの満開時期から3〜4週間後の開花となります。

それでも、日本ミツバチの春の分蜂時期の盛期〜後期に重なる形にはなるのですが、早期の分蜂時期には間に合いません。

早期の分蜂時期に合わせて花を咲かせるには、2月頃から徐々に加温して花芽を速く大きくして開花させるとよいです。

加温の目安として、積算温度がどれくらいというところまで追求できていませんが、自分のところでの状況は、
2月1日に、サンルームに取込んで 4月1日頃の開花となります。
サンルームは、日中に太陽光で温度が上がり、夜の保温は無しの状態です。

家の中の窓辺に置いて、開花時期の調整をしている方もみえますが、外から家の中に取込む時期は、人それぞれで、
温度がどれくらい上がる環境かで、経験値として調整して行くということになると思います。

キンリョウヘンの花での誘引は、分蜂期間の早い時期で効果が大きいと感じていますので、加温で開花を早めて、早期にキンリョウヘンの花を投入するのがお薦めと思います。

写真は展開し始めたキンリョウヘンの花芽です。

このくらいの状態から開花まで、2週間前後というところです。(温度にもよるのですが・・・)


!!!
加温して開花調整する際の注意ですが、空中湿度が不足すると花芽が乾燥して落ちてしまいます。
十分な水やりと空中湿度に気をつけることが必要です。(自分も何度も失敗してしまいました。)



キンリョウヘンの育て方

  • 用土:SUGOI-ne ブルーベリー用ハードPタイプ

  • 肥料:コーティング化成 100日溶出(100%緩効性)

  • ポットは、18cm径ぐらいまでの背の高い水はけの良いポット(お薦めは、18cm径 CSケンガイポット )。

  • 春〜秋は、この用土とポットであれば、水を切らさないように潅水は多めに・・・。

  • 置き場は強い紫外線を避けて、、、薄日/木漏れ日の当たる場所か、一日に少しの時間しか直射日光が当たらないような日陰、、、、。

  • 春〜秋は、雨がしっかりと当たる場所。(バルブがガッチリと太ります)

というのがいろいろやってみての「間違いの少ない」やり方かと思います。
用土、肥料、ポットは、販売している資材の宣伝みたいで恐縮なのですが、お薦めです。
(実際にやってみて良かったものを販売している、、、と思ってもらった方がよいのですが・・・。)

以下、詳細です。

用土については、加湿での根腐れが大敵と思いますが、「SUGOI-ne ブルーベリー用ハードPタイプ」の場合は、用土中に糸状菌が繁殖して広がり、それによって水分が調整され、根腐れの心配が殆ど無いというのが良い点と思います。
実際、キンリョウヘンの生育の調子が悪いと感じたら、新しい「SUGOI-ne ブルーベリー用ハードPタイプ」を使って植え替えてしまった方が手っ取り早い感じです。

肥料については、キンリョウヘンは多肥を好むと思えています。(使う用土と水やり頻度との関連ももちろんあると思いますが・・・)
春から初秋までは、「コーティング化成」をしっかりと与え、肥料切れのないように管理すると、新しい芽が沢山出て、早く大株に育てることができます。
「18cm径 CSケンガイポット」での場合、「コーティング化成」をペットボトルのキャップ 8分目の量を5月、7月、の2回という感じです。

置き場は、シンピジュウム一般の鉄則であるようですが、「強い紫外線を避ける」というのがポイントと思います。
そのような場所に置くと、成長が違ってきます。

あと、「雨に当てる」というのは蘭業者さんから聞いて実践してみたのですが、効果ありでした。
自然の雨に当てると、バルブの太りが違います。



キンリョウヘンの増やし方

株分けで増やすのが一般的、かつ、自分がやっている方法です。

他に、種を採って増やす方法、シンピジュウムで一般的に行われているメリクロンもありのようです。

株分けは、花が終わってからやっています。
株がある程度大きければ、思い切ってやってしまってぜんぜん大丈夫です。
上の方法で育てている限りは、小さく分けすぎてしまって調子悪くなったというのは無いです。

株分けの時期は、秋でもよいというのをどこかで読んだのですが、花芽の出ている秋から春の花までは、「花が咲くことが最も重要」なので、触らず!! ということにしています。



日本ミツバチを誘引するその他の蘭

キンリョウヘンが最も有名ですが、キンリョウヘン以外にも日本ミツバチを誘引する蘭があります。

キンリョウヘンを含め、以下の蘭が誘引力を持ちます。( Seven 自身、これらの蘭が日本ミツバチを誘引することを実際に確認しています。)

  • キンリョウヘン Cym. pumilum (/ floribundum)

  • デボニアナム Cym. devonianum

  • ミス・マフェット Cym. Miss Muffet

  • ミス・マフェット アルバ Cym. Miss Muffet (alba)

ミス・マフェットは、キンリョウヘンとデボニアナムとの交配で作出された蘭なので、この両者から日本ミツバチを誘引する能力を引き継いでいると言えると思います。

キンリョウヘンまたはデボニアナムを元に作出されている蘭は他にもあり、それらが日本ミツバチを誘引する能力を持つのかどうかも、興味深いところではあります。

なお、上の4種では、キンリョウヘンが圧倒的に育て易いので、実戦ではキンリョウヘンと思います。


キンリョウヘン

デボニアナム

ミス・マフェット

ミス・マフェット アルバ