家庭でのブルーベリーの育て方


一般家庭での数本の地植え栽培、また、鉢植え栽培についてまとめています。

おススメ資材


40cm径 スリット穴ポット

大きさがブルーベリーに手頃で、使い勝手良好です。
30cmポット(左前)に比較するとかなり大きくなり、夏場の水切れもし難くなります。
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成長障害

Blueberryの成長障害
ここでは、根腐れとかの主に管理面の問題からくる成長障害について触れたいと思います。それぞれ確定的な情報ではありませんので、これらの症状を経験された方、情報をお寄せ頂けるとありがたいです。

クロロシス
葉が全体的に黄色っぽくなり、よく観察すると右の写真のように葉脈に緑が残り、その他の部分が白っぽく色が抜けたような状態になります。
主に土壌pHがブルーベリーに適していない(pH値が高い)場合に発生します。また、同じ土壌の条件でも日当たりが良くない場合、水が少ない場合に発生し易いように思います。 いずれにしても早いうちなら十分回復可能です。ブルーベリーに適した酸性の土に植え換え、よく日に当て、水切れの無いよう管理することで、1ヶ月ほどで回復します。

ブルーベリーのクロロシス症状は、植物が必要とする鉄、マンガンなどの重金属の欠乏によって主に起こるようです。欠乏は、重金属そのものが土壌中に不足するというよりも、植物が吸収できる可溶化された重金属が不足することに起因するようです。そして、重金属の可溶化には土壌のpHが深く関わっており、pHが高くなると重金属の溶解度は飛躍的に低くなるようです。例えば、鉄の場合にはpHが1.0上がると、溶解度は1,000分の1に低くなってしまうという記事があります。これらのことを理解するとブルーベリーのクロロシス症状が適正pH(酸性)の用土に植え換えることで回復するというのも納得いく話です。また、クロロシスの回復に硫安を与えると良いという話も多々聞きますが、これも硫安によって土壌pHが下がり、重金属の吸収が改善された結果のように思います。



Tifblue

Homebell
クロロシス症状の発生原因は、一般的には上記のとおりですが、ブルーベリーでは品種とか樹の生育具合によっても発症するのがしばしば見られます。例えば、土の状態は全く一緒の露地植えのとなり同士の株で、一方は元気な葉色をしているのに、もう一方はクロロシスを発症しているというのも見られます。また、新鞘/新芽をどんどん展開しているような株がクロロシスを発症するのも見かけます。
いずれの場合も、何もしなくても回復することがほとんどで、また、回復を急ぐようであれば葉面散布可能な液肥を数回散布してあげると早く回復します。
ブルーベリーの一時的なクロロシス症状は、あまり深刻に考えなくても大丈夫のようです。クロロシス症状が長期間継続するようなら、上記のpH上昇などを疑って対処をした方が良いかもしれません。

右の写真は、Tifblue と Homebell の元気よく伸長している新鞘の先端近くの葉で観察されたクロロシス症状です。
これらの例を見ると、あまりに勢い良く伸びている新鞘では、重金属の供給が成長速度に間に合わずにクロロシス症状が一時的に出ているようにも思われます。
実際に株全体の新鞘の展開具合などを見ていると、不健康なブルーベリーの株とはとても思えないような状態です。



ネクロシス
葉が全体的に黄色っぽくなり、良く見ると葉に5mm程度の複数の斑紋が観察されます。斑紋はちょうど水滴が乾いた跡のように見えます。
これもクロロシスと同様に、必要な微量の重金属の欠乏により起こる症状のようです。
当初、この症状は病気の項に入れ、病気の初期症状として説明していましたがそれは誤りでした(スイマセン)。ネクロシスが発生するような弱った株に、たまたま病気が発生したようです。

回復させる方法については、多分クロロシス同様に土壌pHを適正値まで下げてやることだと思いますが、まだ実際に試してはいません。なにか掴んだら追記したいと思います。


葉焼け
夏の炎天下で主にハイブッシュ系に発生する症状のようです。病気かと思っていましたがそうではなく、遮光するか、鉢植えの場合半日ほど日があたるような場所に移動するかで回復するようです。
なお、同じ条件で育てている株全てに症状があるようなら単なる葉焼けとして問題ありませんが、一部の株だけ特に症状が強く見られるような場合は、単なる葉焼けではなく、他の要因が絡んでいることが考えられます。例えば、コガネムシの幼虫により根が食害され、水分の吸収が葉からの蒸散量に見合っていないような場合葉焼けが発生し易くなります。また、鉢土すべてに水分が行き渡っておらず、表面は湿っていても、中が乾燥して水が含み難くなっているような場合にも葉焼けが発生し易くなります。葉焼けが起きた場合は、これらの問題がないことだけは注意しておいた方が良いと思います。

枝のくすみ
何らかの要因で株が弱ると、右の写真のように枝に黒っぽいくすみが出ます。
写真の株は、夏に水きれ枯死ぎりぎりまで行ってしまった後で元気がない状態です。
水きれ以外でもこのようなくすみが枝に出たら要注意です。
根の状態チェックなどの速やかな対処が肝心です。