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アルミ園芸吊りラベル

ボールベンで書くと、文字が消えないアルミ製吊りラベルです。
文字がアルミに刻印されますので、文字が消えず、品種の取り違いが防げます。
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Morphology / 形態学

樹形 は、右の写真のような株立ち状です。
新鞘(シュートとサッカー)を株元から次々と伸ばすことで、株を大きくしていきます。

1年目、2年目、3年目と以下の図のような成長を見せます。


なお成木の樹形は品種により違いがあり、大きく「直立型(erect)」、「拡張型(extensive)」、「冠状型(crown)」の3タイプがあるようです。Sevenの栽培する株はそれぞれの典型的な樹形を示すにはほど遠いので、何処かで成木の樹形を観察できる機会があれば写真を掲載してみたいと思います。


株元から出る新鞘には、シュートと呼ばれるモノとサッカーと呼ばれるモノがあります。
太めの鞘の根元近くから芽を出し伸びてくるものがシュート、土の中の茎から伸びて出してくるものがサッカーです。シュートとサッカーは5月〜6月頃に主に発生し、樹の勢いが良いと一気に1m以上にも伸び、太さも1cmを超えるものが出ます。翌年シュート又はサッカーから横に複数の結果枝を伸ばします。
ラビットアイ系品種はサッカーを主として伸ばす傾向が見られます。また、ハイブッシュ系品種はシュートを主に伸ばす傾向が見られます。

以下の写真、左側がサッカー、右側がシュートです。


釣鐘状の可憐な白いを4月〜5月中旬に咲かせます。

ブルーベリーは、双子葉合弁花類のツツジ科に属する植物なんで、花びらは独立せず「花冠」と呼ぶ釣鐘状の花を付けます。

花の各部の名称は図鑑で調べたところ以下の図のようです。なお、図には示せませんでしたが「雌しべ」の「花柱」の根元には「子房」と呼ばれる膨らみがあります。この「子房」(これも雌しべの一部です)が受粉後に成長して「液果」(ブルーベリーの実)となります。

各品種ごとに「花冠」の形状、「がく」、「小苞葉」、「苞葉」の色が異なります。また、株の成熟度合によっても「がく」、「小苞葉」、「苞葉」の色が若干異なるようです。



ブルーベリーのは、径1cm〜2cm程度のやや扁平な球形で5つのがく歯が先端に残ります。色はその名のとおり濃い青色をしています。
植物図鑑などでは、このような実は「液果」と呼ばれるようです。

実の表面は白い粉を噴いたような状態になっており、これを「ブルーム」と呼びます。

左から順に幼果、熟す直前の果実、熟した果実です。
開花から完熟までの期間は、ハイブッシュ系の方が短い傾向にあり、早いものだと開花から2ヶ月後には収穫期を迎えます。ラビットアイ系では早いものでも3ヶ月程度の時間を要します。
実の形状は品種毎に違いがあり、実の扁平度合い、先端に残ったガク葉(ガク痕)の大きさと形状、実の縦方向に隆起(稜)がある/ない、など品種間に差異が認められます。

上の写真の果実をそれぞれ輪切りにしたものです。ブルーベリーの実は、中までが濃青色をしているワケではなく、ブドウのように皮に色が着いて、中身は色が薄くジューシーな果肉+種子となっています。
果実の発達と共に、果肉がよりジューシーになり、種子がハッキリとしてきます。写真ではまだ種子は完全に発達しておらず薄い茶色ですが、最終的には実の完熟と共に種子は濃い茶色に変化していきます。
写真のように外見が濃青色に変化しても中身はまだ未熟で、この状態で食べるとかなり酸味が強いです。ブルーベリー本来の味を楽しむためには、ここから少なくとも数日は置かないとダメです。


(a)

(b)

(c)


(d)

(a) - 実の先端には五角形の「ガク痕」があります。

(b) - 「果柄」の着いたままの実。熟したブルーベリーの実を引っ張ると「果柄」から実が簡単に外れますが、品種によっては「果柄」が外れずに実について来やすいものもあります。

(c) - 果実から「果柄」を外したところ。「果柄」が外れた部分にのこる果実のキズ跡を「果柄痕 (stem scar)」と呼びます。この「果柄痕」が小さく、乾燥していると、摘み取り後の日持ちが良く、出荷特性に優れます。

(d) - ブルームを拭き取った実。ブルーベリー色はブルームがついているために出る色。ブルームを拭き取ると青みが若干かかった黒色になります。( 生食でブルームを気にされる方がいらっしゃるようですがまったく無害です。)



ブルーベリーのは右の写真の様な形状をしています。

系統により葉の形状と色合いが若干異なり、写真右のように葉の先端近くで逆Rのカーブを示すものがラビットアイ系品種、写真左のように全体になだらかな丸みを帯びたものがハイブッシュ系品種という傾向があります。ラビットアイ系品種でも、葉が展開中であったり、葉の具合によっては逆Rを示さないものもありますが、株全体を見ると多くの葉が逆Rを示す傾向が見られます。

葉の色合いについては、右の写真のようにブルーがかったやや白っぽい葉 〜 ちょうどブルーベリーの果実につくブルームが葉についている感じ 〜 をしているのがラビットアイ系品種(写真上)、普通のグリーンをしているのがハイブッシュ系品種(写真下)という傾向があります。上の写真でも右側のラビットアイ葉品種の葉と左側のハイブッシュ系品種の葉の色合いの違いが判ると思います。この色合いの違いは、新葉が展開する時期、特に顕著に表れます。

葉のふちの形は以下の写真の3タイプがあります。
ラビットアイ系品種は、「鈍鋸歯」または「鋸歯+トゲ」の形をしているものが殆どで、「全縁」の葉をしている品種は極稀です。ハイブッシュ系品種は、「全縁」または「鋸歯+トゲ」の形をしており、「鈍鋸歯」の葉をしている品種は今のところ見たことがありません。

全縁
鈍鋸歯
鋸歯+トゲ


ブルーベリーのは、若枝のうちは主にグリーン色をしていますが、その後、品種毎の特徴のある色を出し、最終的に木質化します。
品種毎の枝の色は、以下の写真のように大きく3タイプ(緑色系、黄色系、赤色系)が あります。ラビットアイ系品種は緑色系が多く、ハイブッシュ系品種は黄色系、赤色系が多いです。
枝の特徴ある発色は冬に特に顕著に表れます。

緑色系

黄色系

赤色系

木質化枝


ブルーベリーのは、他の一般的な樹木のように地中深くに展開せず、極浅く(30〜40cm程度)しか展開しません。また、横方向への広がりも株の枝が展開している範囲を出ないように思います。
この特性からすると、鉢に植えた場合でも木にあまり負担をかけなくて済みそうで、ブルーベリーは家庭での鉢植え栽培に向いているのかなと思います。

根は右の写真のような白い細根が多く、他の樹木のような太い直根はありません。太い直根がないので、露地植えした株の移動も比較的根を痛めず行えます。

なお蛇足ながら、「根の辞典」にブルーベリー同様に細根を浅く展開するお茶の木での興味深い報告がありました。それは、挿し木苗では細根を浅く展開するが、実生苗では直根が発達するというものです。ブルーベリーももしかしたら実生苗から大きくした株では直根が発達するのかもしれません。