種を蒔いて育てることを一般的に実生と呼びます。遺伝的固定度の高い草花の類では種を採取して蒔くと、親と同じ花を咲かせ実を成らせます。しかし、遺伝的に固定されていない植物(果樹・樹木に多い)では、種まきしても親と同じ形質を持つ木は育ちません。
ブルーベリーは後者で、遺伝的に固定されていないため、大粒の実が房成りするブルーベリーの種を播いて育てても大粒の実が成るブルーベリーの株が得られる確率は非常に少ないようです。この点がブルーベリーの実生を試してみる上で、まず大前提として理解しておくべきことです。
ホームベルの実から採取した種を蒔いて育てた苗は、もはやホームベルという品種ではありません。実生で育てた株を安易に知人などに配ると、そこから派性してわけの判らない雑種ブルーベリーが世の中に流通することにもなりかねず、十分な注意が必要です。
Seven的には、実生による増殖は育種・改良を目的とする場合および個人のコントロール範囲内でのお試し目的以外は慎むべきものと考えます。
さて、いきなりネガティブな出だしとなりましたが、これらを理解した上であれば実生は無限大の可能性があり大変興味深いものです。いろいろな品種を集めての観察の次は、実生を試していろんな特性を持つブルーベリーの株が育つ様子をみるのも楽しそうです。
2002年現在、何度か実生を試してみての感想です。実生は興味本位でやるのはOKですが、実質どうかと言うと、全くお薦めではありません。というのは、
- 発芽率は異様に良い、
- その結果、沢山の実生苗を手にすることになってしまう。(数十〜数百のオーダ、1粒分のタネで・・・)
- 初めのうちは、1つの親木からバリエーションのある子苗ができることに興味がわく、
- しかし、子苗が成長すると管理(置き場、水やり、植替え、等)に困ってくる。
- その一方、なかなか結実はしない。
- 結実の状況を見極めて良い株を残すそうと考えた場合、数十〜数百鉢を2〜3年維持しないと結果が出せない。
- 面白味のない株を処分しようとする場合にも、ある程度成長した株を捨てるのは可哀想、また、人にあげようとしても品種不明の株はありがたられない。
なんて感じです。
ちょっと遊びで数本を大きくしてみる、または、めちゃ気合い入れて管理場所も確保して本格的にやる、の何れかじゃないと実生はダメです。